豊永清政のブログ

ツイッターで呟いたことをまとめていきたいと思っております。

社会学者津田正太郎は銀河英雄伝説を理解していない!銀河英雄伝説は女性蔑視の作品では無い!!

法政大学教授で社会学者の津田正太郎と言う人がツイッター上で銀河英雄伝説という作品を『時代にそぐわない』部分があるから社会の価値観に合わせて変えていくべきだと主張した。彼の言う『時代にそぐわない』部分というのは『銀河英雄伝説ジェンダーに対する差別があり、男女分業を称賛する描写があり、女性蔑視を風潮していてタバコ描写が存在した』であるとツイート上で述べていた。

 

これが表現規制を要求していることだと受け取られて騒動になった。しかし、私は表現規制云々以前に津田正太郎氏の主張には最初から大きな問題があったと考えている。大きな問題というのは銀河英雄伝説には津田正太郎氏が主張するようなジェンダーを巡る問題、男女分業、女性蔑視、タバコ描写があったかのような主張自体が間違いだということだ。そのことが銀河英雄伝説そのものに対して存在しない罪での告発となり、それが風評被害を生んでいると思うのである。それが私の考える大きな問題である。

 

 そもそも、ヤン・ウェンリーの妻フレデリカは軍人でヤンの副官、階級は少佐ということでエリートコースにいる人物である。男尊女卑の世界ならば女性が大学に行けるはずは無いし、少佐まで出世出来るとは思えない。旧アニメでは全110話の半分に当たる55話で両者は結婚している。ヤンの妻フレデリカは結婚後も引き続き副官の地位に留まり軍人として働いている。今風にいけば共働きのエリート夫婦と言える。旧アニメは1988年に世に出たが当時はまだ女性が結婚後も働ける環境作りには積極的では無かった時代なので当時として革新的だったと断言しても決して可笑しく無いだろうと思う、ということは即ち女性蔑視は銀河英雄伝説には無かったと断言できる。

 

津田正太郎氏はタバコ描写の話を銀河英雄伝説のツイート上でしているが銀河英雄伝説には喫煙描写が存在しない、当時1980年代は喫煙率が60%を超えていたにも関わらずである。これも同作品の先進性を表していると私は思う

 

ジェンダー問題に関して言えば銀河英雄伝説女性も男性と同じ職業に就けたし、同じ制服を着ていた。これは今でも男女分けて制服を着るのとは違い随分先進的である。

 

よって津田正太郎氏の主張は完全に間違いだと私は思っています。また原作者が「時代にそぐわない」と言ったのはヤンの妻であるフレデリカに対して「変更をしたい」と言ったのではなく、ヤン自身の態度に対してのみでした。これは同作品が最後にヤン・ウェンリーが負けて帝国側が勝利することに対しての回答とも私は思います。原作者はヤンのフレデリカへの態度を指摘している部分でヤンが軍人としてでは無く政治家として祖国の為に立ち上がらなかった理由を述べています。つまり原作者の意図としてはフレデリカへのヤンの態度はヤンが完璧人間では無く実は欠陥があったのだと指摘しているとも読み取れるのです。ですので津田正太郎氏の言うような意味でヤン・ウェンリーを批判したのでは無く、あくまで作中におけるヤン・ウェンリーの問題点を語っていたにしか過ぎないと私は考えております。

 

銀河英雄伝説という作品は中世風の世界観を持ちながらSF的な要素で物語が進むという独特の作品です。この作品内での古臭い部分は原作者による意図的な演出とも言えますので古臭い部分をアップデートしてしまう行為は銀河英雄伝説という作品そのものを否定することと同じことだと思います。古臭い部分を無くす必要は無い、古臭い部分こそが銀河英雄伝説の魅力です。

 

この作品を題材にしてポリコレを語る行為そのものが同作品を意図的に問題がある作品だと人々に誤解を与えかねない行為です。ですから私は強く否定したいのです。この作品にはジェンダー問題、女性蔑視、タバコ描写、男女分業などという事実は存在しないということをです。

 

津田正太郎氏及び社会学者の方々には銀河英雄伝説が当時の社会の状況に対して先進的な部分が豊富にあったという事実の方に目を向けて頂きたい、そしてアニメ・漫画・ゲーム・小説などが社会に対して悪い部分をアップデートするように呼び掛けてきた歴史に目を向けて欲しいと私は思います。